堺（さかい）・アートクルーズ

岩田(いわた) 千虎(かずとら)
(1893〜1965)

みんなへのメッセージ

明治(めいじ)２６年(ねん)１０月(がつ)、肥後(ひご)の国(くに)に産声(うぶごえ)をあげた私(わたし)に、千虎(かずとら)と言(い)う名(な)をつけた父(ちち)は、恐(おそ)らく、肥後(ひご)−加藤(かとう)清正(きよまさ)−虎(とら)と、尻(しり)とりのような連想(れんそう)を浮(う)かべたに違(ちが)いなく、この雅号(がごう)の様(よう)な本名(ほんみょう)は、私(わたし)の生涯(しょうがい)を運命(うんめい)づけたのかも知(し)れません。獣医(じゅうい)そして動物(どうぶつ)彫刻家(ちょうこくか)と歩(あゆ)んで来(き)た私(わたし)の人生(じんせい)は、偉大(いだい)な王者(おうじゃ)“虎(とら)”にあやかりたいとした努力(どりょく)でもあります。“千里(せんり)を駈(か)けて、千里(せんり)を戻(もど)る虎(とら)”の俊敏(しゅんびん)な活動力(かつどうりょく)にはあやかるとして、駈(か)けた千里(せんり)を戻(もど)らぬ様(よう)にと念(ねん)じ乍(なが)ら、“千虎(せんとら)”の意(い)を含(ふく)めて、生涯(しょうがい)に千枚(せんまい)の虎(とら)の色紙(しきし)をかくことにしました。

作者(さくしゃ)の略歴( りゃくれき)

囲碁(いご)仲間(なかま)の老人(ろうじん)が作(つく)った鉄(てつ)の鉄筆(てっぴつ)彫(ほ)りに魅(み)せられて彫刻(ちょうこく)の道(みち)に入(はい)り、二科展(にかてん)に入選(にゅうせん)。その後(ご)苦難(くなん)の末(すえ)に帝展(ていてん)入選(にゅうせん)・特選(とくせん)・無鑑査(むかんさ)となる。皇太子殿下(こうたいしでんか)の他(ほか)各(かく)閣下(かっか)に愛馬(あいば)・騎馬像(きばぞう)を献上(けんじょう)。昭和(しょうわ)16年(ねん)牛(うし)一万頭(いちまんとう)彫刻(ちょうこく)の悲願(ひがん)をたて、36年(ねん)（丑年(うしどし)）その悲願(ひがん)を達成(たっせい)した。南極(なんきょく)探検(たんけん)でカラフト犬(けん)が氷原(ひょうげん)に置(お)き去(ざ)りにされたのを悲(かな)しみ、大浜公園(おおはまこうえん)に15頭(とう)の慰霊像(いれいぞう)をつくる。勲五等(くんごとう)瑞宝章(ずいほうしょう)、日展(にってん)菊花賞(きっかしょう)受賞(じゅしょう)日展(にってん)審査員(しんさいん)、堺市(さかいし)勤労者(きんろうしゃ)美術展(びじゅつてん)会長(かいちょう)、日本(にほん)彫塑(ちょうそ)会員(かいいん)、大阪府立(おおさかふりつ)農学校(のうがっこう)教諭(きょうゆ)、獣医(じゅうい)畜産(ちくさん)専門学校(せんもんがっこう)教授(きょうじゅ)、府立大(ふりつだい)家畜(かちく)病院長(びょういんちょう)

作者(さくしゃ)の年表(ねんぴょう)

他(ほか)の作品(さくひん)